爬虫類用アルミフレームケージのオーダーメイドを依頼してみた
爬虫類を飼育する際にほとんどケースで必要になる飼育ケージですが、小型のアクリルケージは市販、90cm前後の大きなケージの種類が少ないのが現状です。
この記事では、
使い勝手の良い爬虫類ケージが欲しいけど、メーカー品で良いのがないなぁ・・・
ケージのオーダーメイドを知らない人に頼むのも不安だし、お値段が高いイメージがあるわ・・・
という方向けに、オーダーケージを受け付けている方の紹介と、実際に私が爬虫類ケージを特注した際の経験談を紹介します。
今回の記事ではArk工房さんを例にしているけど、ご本人には一切許可を取ってないし、当然紹介料的なものも貰っていないよ。
なので、この記事の内容に関してArk工房さんに直接問い合わせるのは遠慮してね。
クレーム等はこのブログのコメント欄かTwitter(@sasakiF_H)のDMで随時受け付けているよ。
宣伝:本記事は動画でも見ることができます
『Ark工房』さんのアルミフレームケージの概要
今回オーダーメイドケージを依頼したのはArk工房(@tkr0409)さんです。
Ark工房さんの作るケージは、製造工場などで広く利用されているアルミ構造材を使っているので、『軽くて』『頑丈で』『劣化しにくい』ことが特徴です。
メーカー品でアルミフレームのケージといえば、過去にゼンスイさんのタフタンクが販売されていました。
しかし、タフタンクシリーズはすでに生産終了しており、時間が経つにつれ流通量が減っていったので、ツタヤのレンタル袋を触った後に手を洗う派と同数いると思われるアルミフレームケージ愛好家が全員難民になったと思います(個人的な感想です)。
私も最初はタフタンクを検討していたけど、生産終了と知って断念したよ。あの無骨な外観が他の市販ケージにはなくて好みだったのに・・・
Ark工房さんはオーダーメイドケージ界隈では珍しく、組み立てキットを取り扱っています。
これは製造現場で容易に組み立て可能なアルミ構造材の特徴を活かしたシステムです。
ある程度加工されて仮組みされたケージを再度分解し、コンパクトにまとめた上で郵送されるので、組み立てた状態の完成品を郵送するより送料が抑えやすいというメリットがあります。
市販ケージではパンテオンが組み立て方式ですね。
ちなみに組み立てた完成品での取り扱いもありますので、「自分で組み立てるのはなんだか不安だわ・・・」と悩んでいるマダムも安心して依頼できます。
同じくオーダーメイドのアルミケージを製作している龍匠(@ryuushyou164)さんがいるけど、個人的に頑丈なフレームがゴリゴリ露出している方が好みだったので、今回はArk工房さんに依頼したよ。
このあたりは好みの問題になるから、色々なケージ屋さんを見比べて検討してみてね。
オーダー内容とケージの価格
見積もりから納品までの流れ
Ark工房さんへの依頼はTwitterのダイレクトメッセージ(DM)のみで受け付けています。
依頼のおおよその流れは以下の通り。太字がこちら側で対応が必要なタスクです。
- 依頼事項(後述)を記入してDMで送信
- Ark工房さんから見積もりが届く
- 住所と氏名、連絡先を伝える
- Ark工房さんから送料の連絡がくる
- 指定の銀行口座へ振り込み(送料は後にしても良いみたいです)
- Ark工房さんから入金確認連絡
- 製作開始までしばし待つ(人気なので数ヶ月待ち)
- Ark工房さんから完成&発送連絡
- 納品&受領連絡
受注してから材料を仕入れる形になるので、代金は銀行振込での先払いのみの対応です。
受注生産なので当たり前の話ですが、受注された後のキャンセルは原則できないので、よく検討してから発注するようにしましょう。
作る側からすれば依頼があったから材料を発注しているのに「やっぱりいらなくなったから返金して」と言われてもどうしようもありません。
私の場合は送料も含めて一括で振り込みしたよ。
依頼事項で不足している情報があれば後からでも聞かれるので、まずは必須事項を伝えて、オプション類は随時相談していく感じでもいいかもね。
依頼内容の詳細と見積価格
私がオーダーするにあたってお伝えした内容は以下の通りです。
一応イメージの齟齬が無いように手書きのポンチ絵をつけて送りましたが、必須ではありません。
- サイズ:W810 × D380 × H450mm
- タイプ:スタンダード
- フレームの色:ブラック
- パネルの色:ホワイト
- 仕様:組み立てキット
- オプション:
電気コード取り出し口 × 2
クリップライトステイ(L=600mm,ブラック)× 1
サイドパネル通気孔(1/2) × 2
フレームタイプは通常強度のスタンダードと頑丈なタフネスがありますが、ケージもそこまで大型ではなく、上に重い物を乗せることもないのでスタンダードにしました。
フレーム色は通常のシルバーに対して、ブラックフレームはやや価格が高いみたいですが、ケージを設置する棚のフレームが黒色なのでこだわって統一しています。
クリップライトステイは紫外線ライトなどを設置するためのオプションです。
最初依頼した時はクリップライトステイを依頼する際に長さの記載を忘れてて、後から600mmで依頼しました。取り付け高さはArk工房さんから参考写真を頂いて天井から50mmで設定しています。
電気コードの取り出し口はクリップライトステイを取り付けるならほぼ必須になります。
オプションについてはArk工房さん(@tkr0409)の固定ツイートや説明ブログに載っているものならまず対応してもらえます。
また、Ark工房さんは定期的に新しい機構やオプションを試作されている方なので、
上記のオプション一覧で触れられていない裏オプションもあります。
過去のツイートから希望仕様を探してみたりの、「こういったことができないか」などの相談をしてみると変態仕様でも喜んで対応してもらえるかもしれません。
最近だとカメレオン用の止まり木や、スライド扉と下開き扉のダブルアクション、スライドレール上開き扉なんかもツイートしてたよ。一部何いってるかわからないと思うけど、文章で説明するのが難しいから実際にツイートを眺めてみるといいよ。
さて、今回は寸法・フレーム色・オプションのどれをとっても標準仕様と異なるフルオーダーですが、見積もり価格は送料込みでも35,000円以下でした(ご本人から掲載許可取っていないので若干ぼかしています・・・)。
市販の90×45×45cmケージだと、本体代金だけでも2.5万〜3万円ちょっとの範囲ですので、フルオーダーなのにこの価格はかなり安い部類なんじゃないかと思います。
ちなみに参考までに、Ark工房さんの90×45×45cmの標準仕様ケージは25,100円です。下手すれば市販のケージより安いですね。どこで利益出してるんでしょうか。
組み立てタイプのケージが届いたらすること
組み立て式のケージは写真のような梱包で送られてきます。
組み立てる前に準備するものは以下の3点です。
- カッターナイフ
- シリコン系シーリング剤(防カビ剤なし)
- シーリングガン
カッターナイフは梱包状態を開封する時だけ使います。
組み立て式ケージではコーキング作業を自分で行う必要があるので、コーキング用品一式は自分で準備しましょう。
組み立てる際のドライバーは、トルクスネジという6角星型の特殊ねじ用のドライバーがケージと一緒についてきますので準備不要です。
開封して部品を並べたらArk工房さんの組み立て説明書を見ながらどんどん組み立てていきましょう(ご本人がすでに組み立て手順の記事を公開されているのでここでは割愛します)。
サイドパネルを通気口にしてる方やケージサイズにより若干作り方が異なりますが、基本的にない工程はスキップすればOKです。
最も時間がかかり、最も難易度の高いコーキング作業も自分で行う必要があります。
コーキング方法についてもArk工房さんのブログの方で解説されていますので、そちらを参考にしてください。
本来は全部の境界にコーキングをするんだけど、私の場合はサボって半分だけにしたよ。
ケージをオーダーメイドして良かったこと
とにかく軽くて一人で持てる
実際に完成ケージを持ってみればわかるのですが、とにかく丈夫で軽いです。
アルミ構造体はフレームの内部が中空になっており、またアルミという素材自体も他の金属と比べて軽い層です。
組み立ての時に何度も持ち上げましたが、特段重さで苦労することはありませんでした。
その後のメンテナンスなどで1年間で3回ほど移動する機会がありましたが、一人で持ち上げて階段も登れるぐらいの重さです。
過去に木材で60cmケージや80cmケージを作った時は腰をヒーヒー言わせながら持ち上げていたので、かなり感動です。
ブラックフレームが棚にマッチして超オシャレ
今回のケージは幅810 ×奥行き380 × 高さ450mmと少し変わった寸法になっています。
お気に入りのオープンラックの内寸に合わせてお願いしたので、天板にも棚の中にもジャストフィットで収まってかなりすっきりとした印象を受けます。オーダーケージの醍醐味ですね。
オープンラックの黒いアイアンフレームがケージのブラックフレームと一体になっており、個人的には違和感なく馴染んでいると思います。
個人的にはダーク調の棚に合わせるならブラックフレーム一択だと思います。
無垢などのナチュラル系の家具に合わせるならフレーム色はシルバーでも良さそうです。
クリップライトステイが長いのでライトの自由度が高い
クリップライトステイはケージの横側に取り付ける人が多いようです。
個人的な考えで、横に取り付けると後から中央部分を照らしたい時にライトの電球から遠い可能性があると思ったので、どこでも取り付けて照らせるように背面に長く設置してもらいました。
今の所ライトは左端に寄せているので、あまり正面に置いたメリットはありませんが、将来的なレイアウト変更時に選択肢が増えるので、今後依頼するときも基本的には正面にステイを取り付けると思います。
ケージを組み立て&使用し始めて気になったこと
組み立て時にフレームの方向を間違えた
ブログの組み立て手順をよく読めば回避できたのですが、
サイドパネルのフレームを内と外で逆に取り付けてしまいました。
正しくは溝のある面が外向き、ツルツルした面が内向きです。
見た目にほとんど変化はありませんが、溝の中に汚れが溜まりやすいのでたまに掃除してあげる必要があります。
自分でコーキングすると仕上がりが微妙
DIYビギナーあるあるなのですが、組み立て後のコーキング作業が下手くそなので、シーリング剤を近くで見ると結構表面がでこぼこしています。
また、コーキング作業自体もテープを貼ったりして結構重労働なので、
できれば次は完成品で依頼しようと思っています。
正面の立ち上がりはもう少し高めにすればよかった
ケージ正面の立ち上がりの高さはもう数センチ高めに依頼すればよかったかなと思っています。
理由はサンドフィッシュを飼育する上で、床材の高さは10cm程度が推奨されているのですが、今のケージは床面から8cmまでしか床材を敷けません。
オーダーの時に指定し忘れていたので標準仕様の高さになっているのですが、これはよく考えてから依頼すべきでした。
元々5cm程度の厚みで飼育していたので致命傷ではないですが、次に砂に潜る系の爬虫類用にオーダーする際は、最大10cm程度敷けるぐらいまで立ち上がりを高くしてもらうと思います。
まとめ:リピート確定。将来的にアルミケージで統一したい。
といった感じで、今回は爬虫類ケージのオーダーメイドに興味を持たれている方向けに、私がサンドフィッシュスキンク用のケージをArk工房さんに特注した時の話をまとめてみました。
- 市販ケージで気に入ったものがなければオーダーメイドがオススメ
- Ark工房(@tkr0409)さんのアルミケージは『軽くて』『丈夫で』『劣化しにくい』
- 810 × 380 × 450mmのフルオーダーケージで本体価格は32,500円程度とかなりお得(基本仕様だけなら900 × 450 × 450mmでも25,000円ほど)
- 組み立てキットは送料も抑えられて組み立ても楽しめる。ただし、DIYが苦手の人は完成品で依頼した方が良い。
オーダーケージは市販のケージとは異なり、サイズや見た目を自分好みに合わせられることが特長です。
一方で、基本的に受注生産なので発注から納品まである程度時間がかかることが多く、お迎えしてすぐに飼育環境を用意する必要がある場合は向いていません。
Ark工房さんに依頼した時は注文が重なって納品まで数ヶ月待ちだったので、人気のケージはそれぐらいかかることを見越して、期間に余裕を持って依頼しましょう。
また、アルミケージ以外にもオシャレな木製ケージを作成されている方もいますので、色々眺めてみて興味を持った方は、是非一度相談されてみてはいかがでしょうか。