生き物をお迎えする際、事前にその生体の種類・相場・飼育環境など様々な情報を仕入れると思いますが、意外と見落としがちなのがその生体の健康を維持するのに必要な餌代や水道光熱費を含む飼育費用です。
飼育本にも日常のメンテナンスや病気の対応などは書かれていても、年間の飼育費用は載っていなかったりするので、「実際に飼育してみたら意外とお金がかかった。。」なんて人もいるんじゃないでしょうか。
ここではそんな爬虫類の飼育費用と、私が実践している飼育費用を不労所得でカバーする考え方をご紹介します。
【この記事はこんな人にオススメ】
- 爬虫類の飼育費用をざっくり知りたい方
- 爬虫類の飼育費用をお小遣いを減らさずに捻出したい方
- 株式投資に興味がある、またはもう始めている方

怪しい情報商材を売るつもりはないけど、お金に関わるシビアな話題ではあるので、この記事の内容については常に疑いの心で読んでね。
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年間の飼育費用
お迎えしたら最後のその時まで飼育費用がかかる
「飼育設備を用意して、生体もお迎えしたから後は愛でるだけ!」というわけにもいかず、生き物なのでご飯も食べればうんちもします。
人間の生活と同じく、ご飯も降って湧いてくるわけではないので、飼育者がどこかで買ってきて与えなければいけません。
また爬虫類は変温動物で周辺の気温に合わせて体温も変化するため、大体の爬虫類に関しては活発に活動してもらうには飼育環境に高い温度が要求されます。
少なくとも冬場は電力会社に電気代を払って保温する必要があるでしょう。
また、昼行性の爬虫類は健康に過ごすために紫外線を必要とすることが多く、室内で飼育するなら紫外線ライトも必要です。
生体を健康に育てるだけで経済に貢献できるので、ペットを飼育される方はみんな太っ腹ですね。

本筋じゃないのであまり触れないけど、万が一病気になったら医療費もかかるよ。
当然日本国の医療制度は使えないから基本的に全額自腹!症状にもよるけと、ひと月通院するだけで数万は飛んでいくこともあるから、万が一の覚悟はしておいてね。
生体ごとの実際の飼育費用一覧
初めて爬虫類を飼育する人に「飼育代がかかるよ!よく考えてね!」と言っても具体的な数値がないとさっぱりイメージできないと思うので、
実際に爬虫類を飼育する際にどれくらいの飼育代がかかるのかをざっくり表にまとめてみました。
生体の種類 | 餌代 | 水道光熱費 | その他雑費 | 合計 |
ヒョウモントカゲモドキ(地表性ヤモリ) | ¥1,500 | ¥1,800 | ¥800 | ¥4,100 |
ツノガエル(地表性カエル) | ¥1,000 | ¥1,800 | ¥800 | ¥3,600 |
コーンスネーク(ナミヘビ科) | ¥13,440 | ¥1,800 | ¥2,400 | ¥17,640 |
ニホンイシガメ(水棲亀) | ¥5,600 | ¥3,000 | ¥0 | ¥8,600 |
サンドフィッシュ(昼行性小型爬虫類) | ¥720 | ¥5,800 | ¥2,300 | ¥8,820 |
猫 ※参考 | ¥25,000 | ¥2,000 | ¥20,000 | ¥47,000 |
私は猫も飼育しているので参考までに入れてみましたが、猫1匹分でレオパ10匹は余裕で飼えるというのもなかなか興味深いですね。
以降に内訳を記載しますが、興味がない方は本題まで流し読みして下さい。

爬虫類飼育にかかる電気代に関しては別記事でまとめているから、詳細が知りたい方はそっちも参考にしてね。
飼育費詳細1:地表性ヤモリ
ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)やニシアフリカトカゲモドキの飼育費用は人工飼料をベースにしています。
活き餌としてヨーロッパイエコオロギのML(8円/匹)を使用する場合、1回の給餌で5匹食べる場合の費用はカルシウムパウダー代を含めて3,700円前後と、人工飼料の2倍以上かかります。
また、電気代はパネルヒータを通年使用することを想定しています。
水道代は水入れの交換と霧吹きだけなので無視できるレベルです。
その他雑費として床材代(赤玉土)を含めていますが、高級な爬虫類用の床材を購入する場合は倍以上かかります。
飼育費詳細2:地表性カエル
練り餌で育てる場合は、1年間でも100〜150gぐらいのパッケージ1袋または2袋で事足ります。
特にツノガエルは待ち伏せ型でほとんど動かないため、燃費はかなり良いです。
逆にツノガエル以外、例えばヒキガエルだと活動量が多いので3〜4倍ぐらいの餌代がかかります。
ケージの大きさによりますが、パネルヒータを設置する場合の電気代はレオパと同じにしました。
飼育費詳細3:ナミヘビ科
蛇の飼育でかかる費用の大部分は餌代です。
冷凍マウスのアダルトLサイズの市場価格が大体200〜300円ほどなので、週1回与える場合は13,440円以上かかります(普段購入している価格の260円で計算)。
電気代はレオパより倍ほど大きなパネルヒーター(15Wタイプ)を使用する場合、電気代も倍程度です。私は時期によって8Wと15Wタイプで使い分けています。
蛇を沢山飼育している方の中には熱線を引き回して保温したりしているようです。
その他雑費としては床材代(アスペンチップ)を含めています。
飼育費詳細4:水棲亀
水棲亀の餌代は体の大きさと餌の種類によりピンキリですが、最低でも5,000円は見積もっておいた方が良いでしょう。
私の飼育しているニホンイシガメのオスは小型なので、人工飼料の消費量もそこまで多くありません。
メスは倍近く大きくなるので、その分餌代は増える傾向です。
また室外飼育の場合、冬眠時以外は1〜2日に1回の水替えで3,000円以上の水道代が発生します。
室内飼育する場合はライト類も導入する必要があるので、通年飼育できるレベルを導入する場合は電気代として10,000円以上はかかるとみて良いでしょう。
飼育費詳細5:昼行性小型爬虫類
ややマイナーな種類ですが、私の飼育しているサンドフィッシュスキンクは昼行性のトカゲなので、紫外線ランプと保温ランプが必要になります。
サンドフィッシュにはミルワームを与えているので、餌代は今のところ1,000円以下です。
小型の範囲が広いので一概に価格は定まりませんが、レオパより大きいなら相応の餌代がかかります。
飼育費詳細(参考):猫
猫の餌代は猫の年齢によりピンキリなので大体20,000円〜50,000円の範囲で考えます。
人間と同じ空間で生活することが多いので、水道光熱費の中で猫だけにかかっている費用としては冬場のホットカーペット代です。
その他雑費が多いのは、猫のトイレ用用品(6000円)、毎年打つ必要のある猫用3種混合ワクチンの接種費(約5,300円)と、ピュアクリスタルなどの給水機のフィルター代(約3,300円)が大きいです。
残りはおやつ代やおもちゃ代、シャンプー代などです。

爬虫類も猫もそれぞれ違った良さがあるけど、猫は明確に懐く様子がわかるので、ついつい余計なものを買い与えてしまうかも・・・
実は細々したものを買っていて、飼育費としてはもっと高いまであるよ。

飼育費用を不労所得で実質0円にするという考え方
株式投資のすゝめ
私がこの記事を通してオススメする爬虫類の飼育費実質0円にする方法としては、
株式投資で得られる毎年のリターン(配当金)で相殺することです。
株式投資とはざっくり一言でいうと、
”企業の経営や財産に関する権利(株)の一部を買い取って諸々のリターンを得る投資手法”です。
ちなみに企業の権利を買い取った人や団体のことを株主と言い、
その株主が貰える権利の中身は大きく3つあります。
【株主が持つ権利】
- 会社に口出しする権利(議決権)
- 会社が上げた利益の一部(配当金)を受け取る権利(剰余金配当請求権)
- 会社が潰れた時に残ったお金を受け取る権利(残余財産分配請求権)
金融素人の私が説明するよりも詳しいサイトはいくらでもあるのでこれ以上は割愛しますが、
ここではざっくりと「株を買えば企業の利益を貰えるんだな・・・」ということだけ知っておいて下さい。

株主に利益を還元せず、自社の成長のための投資に全振りする企業もあるよ(アマゾンとか)。
この場合に株主が受け取るリターンは、企業成長に伴う株価の上昇から得ることになるけど、今回の飼育費を相殺するという目的には合わないので、ここでは配当金・分配金が出る企業やファンドに投資する前提で話しているよ。
もらって嬉しい配当金のこと
株を買うと年に何回か、企業から配当金を受け取ることができます。
この時、株をいくらで買って、そのうち年間いくらの配当金が貰えるのかを表したものを配当利回り(単位:%)と言います。
例えばあなたが100万円分の株を買って、毎年5万円の配当金を受け取れる場合の配当利回りは5%です。
もしこの株の配当金の額が変わらなければ、20年間持ち続けて通算で100%となるので、20年以降は元を取った後のフィーバータイムに入ることになります。
この毎年の配当金を沢山出してくれる企業の株を高配当銘柄と言い、
一般的に日本の高配当株の水準は、配当利回り3%以上と言われています。

配当利回りは買った時の株価を基準にして計算するよ。
例えば買った時に配当利回りが5%の場合、途中で配当金が2倍になれば配当利回りも2倍の10%、逆になんらかの要因で配当金が半分になれば配当利回りも半分の2.5%になるよ。
配当金で飼育費用を相殺する
先程の飼育費用の例にあげた生体で想定した場合、
飼育費を配当金で相殺するのに必要な株の購入金額は以下の通りです。
生体の種類 | 飼育費 | 投資資金A (利回り3%) | 投資資金B (利回り4%) | 投資資金C (利回り5%) |
地表性ヤモリ | ¥4,100 | ¥136,667 | ¥102,500 | ¥82,000 |
地表性カエル | ¥3,600 | ¥120,000 | ¥90,000 | ¥72,000 |
コーンスネーク | ¥17,640 | ¥588,000 | ¥441,000 | ¥352,800 |
水棲亀 | ¥8,600 | ¥286,667 | ¥215,000 | ¥172,000 |
昼行性小型爬虫類 | ¥8,820 | ¥294,000 | ¥220,500 | ¥176,400 |
配当利回りが高い銘柄を選ぶほど必要な投資資金は少なくなります。
表で見ると必要な投資金額の大きさはC<B<Aの関係です。
ただし日本国内で投資をする場合、株式の利益分に対して約20%も国に税金を納めることになりますので、税金を考慮した必要金額は以下のように増えます。
生体の種類 | 飼育費 | 投資資金A (利回り3%) | 投資資金B (利回り4%) | 投資資金C (利回り5%) |
地表性ヤモリ | ¥4,100 | ¥170,833 | ¥128,125 | ¥102,500 |
地表性カエル | ¥3,600 | ¥150,000 | ¥112,500 | ¥90,000 |
コーンスネーク | ¥17,640 | ¥735,000 | ¥551,250 | ¥441,000 |
水棲亀 | ¥8,600 | ¥358,333 | ¥268,750 | ¥215,000 |
昼行性小型爬虫類 | ¥8,820 | ¥367,500 | ¥275,625 | ¥220,500 |
税引前の資金と見比べてしまうと一気に割高感がありますね。
お給料を受け取ったら税金、株式を購入したら手数料、配当を受け取ったら税金、餌を買って税金と4回ぐらい何かしらお金を取られると考えると、なんとも言えない気持ちになります。
ざっくりまとめると、配当利回りによって以下の資金を用意して投資すればほぼ相殺できる見込みがあります。
【投資資金のざっくり目安】
- Aの配当利回り3% -> 飼育費用の42倍
- Bの配当利回り4% -> 飼育費用の31倍
- Cの配当利回り5% -> 飼育費用の25倍
それでは次に飼育費を配当金で相殺する考え方のメリット・デメリットを説明します。

ここでは話を簡単にするために分離課税を前提に計算しているけど、総合課税にする場合は人によってはもう少し税率を抑えることもできるよ。

爬虫類飼育と高配当投資を掛け合わせた時のメリット・デメリット
メリット1:飼育費の負担が0円になる(キャッシュフローの改善)
投資に必要な種銭さえ用意できれば、
購入後は毎年入金される配当金で飼育費を相殺することができます。
もしあなたの自由にできるお金がお小遣い制で限りあるとしても、
お迎えによって以降のお小遣いを減らすことはありません。
手付かずのお小遣いで設備をアップグレードしても良いですし、
新しくお迎えするにあたり追加の投資用に貯めておいても良いでしょう。

私の場合は高配当株に毎月少しずつ積み立て投資しているよ。
目標額まで配当をもらえる体制ができたらお迎えする生体を探し始めるから、お迎えペースはかなり遅いのが難点かな・・・
メリット2:計画的にお迎えするようになる
飼育費を相殺するために必要な投資額を計算するためには、
お迎えする生体にかかる餌代や電気代など、より具体的に調べる必要があります。
少なくとも一切調べないといったことにはならないので、
多少は生体のことを知った上で計画的にお迎えができるようになります。
例えば店舗やイベントで一目惚れして、よくわからないまま飼育し始めて結果落とすといった悲しい事態を防ぐ意味でも非常に有効です。

個人的には飼育費を相殺するよりも、この計画性を持つことが大きなメリットだと思っているよ。
お迎えの準備に手間と時間をかけることで、導入直後の不幸を減らせるから、生体と飼育者双方にとってもWin-Winだよね。
メリット3:長期投資による恩恵を受けやすい
もしあなたが米国株のインデックス投資を行う場合、統計的には長期で持つほど勝率は高くなる傾向にあります。
この辺りは投資系の雑誌やネット情報に詳しく載っていますし、この記事では具体的な投資のノウハウまで触れる気はないので割愛しますが、
地雷の投資先を踏まなければ一般的に長期投資の方が有利です。
レオパの寿命は8〜10年程度と考えると、必然的に長期投資になるのでメリットを存分に受けられる可能性があります。

地雷の定義は人によって様々だけど、例えばダラダラと右肩下がりの業界で、株価も同じくダラダラ下げ続けている銘柄は、確固たる理由がないならあえて買う必要はないかな。
メリット4:出口戦略がわかりやすい
投資の世界では「株は買うより売る方が難しい」とよく言われます。
明日の事は誰にもわからないので、株が上がってたら心理的に「明日はもっと上がるかも」、株が下がってたら「明日こそ上がるかも」とズルズル持ち続けることが多いからですね。
また高配当株投資がメインの方は、自身の生活を豊かにする目的で投資をしているので、
一度株を買ったら死ぬまで手放さないこともあるようです。
今回ご紹介している方法は人ではなく生体に紐づいた投資なので、大きく2ケースの売却タイミングがあります。
【購入した銘柄を売却するオススメのタイミング】
- 購入した銘柄に対応する生体が最後を迎えた時
- 飼育費を上回る分配を得られるようになった時
1つ目は悲しいことではありますが、生体の多くは人間より寿命が短いので、ほぼ間違いなくどこかのタイミングで見送ることがあるでしょう。
もう生体を増やさないなら売却してしまってもいいですし、別の生体をお迎えする際にそのまま引き継くこともできます。
2つ目は業績や株価が順調に上がって配当金が増配された場合です。
例えばある日本株を200株持っていて、増配により飼育費用の2倍以上もらえる様であれば、飼育費を超える分は不要とみて半分売ってしまうという考えもできます。
もちろん余剰がある分で別の生体をお迎えするときの飼育費を補っても構いません。

私の場合、増配されたら次のお迎えのための種銭にするか、今飼育している子の設備のアップグレードに使う予定だよ。
デメリット1:初期費用が増える(お迎えのペースが鈍化)
この方法の難点の1つとして、
通常お迎えする際の初期費用より、かなり多くのお金を準備する必要があるということです。
現金の余力のある方は良いですが、これからお金を貯めてお迎えしようと思う方にとっては、
資金が貯まるまで人生の中で生体と過ごす時間を先延ばしにすることになります。
イベントなどでお迎えする場合は、そのチャンスを逃せばもう2度とお目にかかれないかもしれませんし、昨今の規制強化の流れによって生体価格が値上がりして手が届かなくなる可能性もあります。

直近だとミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニの輸入・販売規制といったこともあるから、本当にそのタイミングしかお迎えチャンスがない場合は先にお迎えしてから投資金を貯めるのもありだと思うよ。
デメリット2:無配・減配・上場廃止による元本割れのリスクがある
投資には必ずリスクがあります。
高配当株で個別銘柄を選択している場合、
企業の業績次第で配当金が減額または配られない可能性があります。
最悪の場合は上場廃止になり、投資したお金のほとんどを失うこともあります。

コロナ禍でのレナウンやオンキヨーの上場廃止は記憶に新しいね。ちなみに過去最高の株価は1620円だったオンキヨーも最終株価は1円だったよ。投機家のおもちゃにされててちょっとかわいそう。

まとめ:その子との出会いはその場限り、でもお迎えは計画的に
といった感じで、今回はお迎え前に高配当銘柄に投資しておくことで、お迎え後の飼育費用を実質無料にする考え方を紹介しました。
【本記事のまとめ】
- 年間飼育費の25倍の株価で配当利回り5%の株を買えば、飼育費を実質無料にできる
- 生体の寿命まで長期運用するので収支が安定しやすい
- 飼育費を調べて資金を準備する必要があるので、衝動買いが起きにくい
- 減配や元本割れリスク、お迎え時の初期費用の増加のデメリットがある
個人的な意見としては“お金がない事は生体にとって不幸”だと思っています。
もちろん個々の事情があると思いますし、他人の飼育している生き物なので口出しする立場にありませんが、お金がないから必要な餌や設備を用意できないというのは、勝手に連れてきた生体に対して更に理不尽を強いることにほかなりません。
飼い主のリストラや倒産など、万が一の場合の生体を飼育できるだけの費用は確保する手段は検討しておいて損はないと思うので、今回紹介した方法じゃなくても、自己防衛という意味で何かしらの対策はうっておくことをオススメします。

上記と似たような話をYouTubeで投稿した時は、いいねよりBadの方が多かったりしたから、多分この方法も読む人によって色々な意見があると思うよ。
是非反対の人も賛成の人もコメントで意見を聞かせてほしいな。
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